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2009年3月

シニア空割

不景気で消費が伸び悩む中、マーケティングの仕掛は難しい。
「消費の意欲がそもそも欠けているのだから」という前提は、消費を司るビジネスであるマーケティングとって、絶望的な話だから。

とは言え、不可能ではない。
ユニクロやマクドナルドの好調のように、低価格を武器に、時代の逆風を味方にするやりかたもある。
(ただし、両社の成功が、長期的に続くかについては、私は少々懐疑的なのですが)

うまいなあと思ったのは、全日空のシニア空割。
65才以上の人を対象に、9000円の破格値でANAの国内線一便に乗ることができる(もちろん、同一単価で乗り継ぎもできる)商品である。
(http://www.ana.co.jp/dom/fare/senior_sorawari/index.html)
超割の最盛期でも1万円だったことを思えば、このチケットは安い。

ただ、一昔前の「超割」「バーゲンフェア}と違うのは、予約ができないことだ。
当日、空港のカウンターで空き席があれば、この値段で買うことができる。
立場は弱く、空席があって、発券済みでも、搭乗前に精機の値段で飛び込んできた客がいれば、そちら優先であるから、予定を厳密に立てて動く旅行には適さない。

こういうサービスの飛行機会社は、ヨーロッパのイージージェット始め、海外ではけっこうあって、でかい空港に行くと、いつ飛ぶとも知れないイージージェット待ちのバックパッカーが床に転がっていたりするが、日本の国内線限定であれば、空港に寝泊まりするほどの長時間にはならないだろうし、また、24時間空港じゃないから、できもしない。

時間とドタキャンを許せる心のゆとりと引き替えの定額料金で、空席を埋めようという全日空の狙いは上手いと思う。
しかも、これはマイレージカードが必須。
単なるマイレージカード普及キャンペーンより、そのカードの存在を意識させ、かつ申し込みをさせる動機付けが強い。
マイレージカードを持って、マイレージを貯め始めると、それが一種の規格縛りになって(ベータのユーザーが、ベータのビデオテープを買い続け、キャノンのプリンターを持っているとインクはキャノン製品を買い続けなければならないように)、どうせ乗るならこのエアにと心理的になっていく。
利用客のエア選択を決めるから、マイレージカードは重要でだから、マイレージカードを持たせて、ほどほどマイレージが貯まっていくことが、プロモーションとして大切なのである。

ANAにしても、空席を運ぶよりはマシで、マイレージカードのキャンペーンにもなるわけで、お互いの無駄を省く良いサービスだと思います。
「発券済みでもキャンセルあり」ですから、空港の受付カウンターは大変だと思います。
今日乗れるかどうかが読めませんから、旅程をしっかり組むタイプの人には向かないと思います。
廉価がリスクに勝ると思う人に向くサービスです。

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