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2008年11月

グーグル・「カイゼン」

グーグルは収益モデルから考えると、広告収入モデルである。
また、それまでのマスメディア広告モデルと比べて、費用対効果が高く、効率がよいから評価され、広告が集まると共に、投資マネーが集まって大きな成長を遂げた。

しかしながら、世界的な景気後退の中で、広告費は減少し、投資マネーも縮小している。
グーグルは初めて逆境に立っていると思う。

もちろん、グーグルが目指している、ターゲッティング広告は正しい。
従来型のマスメディア広告は、大ざっぱすぎて、価格競争が激しく薄利の現代の商売において適さない。
また、広告表現が消費に影響する力も衰えた(消費者が、広告表現を理由に消費しなくなってきた)。

不景気という逆境と、新型広告モデルのプラスの中で、グーグルはどうなるのか?
私見を述べると、しばらくはグーグルの広告収益は鈍化することはあってもまだある程度伸びる。
それは、クライアントが不景気とは言えある程度の広告予算を用意していて、しかし、短期間に費用対効果に優れた成果を上げることを求められており、するとツールはネット広告は有力な選択肢であり、マス広告の売り上げを奪って、まだ、伸びると思う。

グーグルの広告モデルは、無駄を省き、精度高く広告を表示し、また、クリックという成果に基づいてしか課金しない。と言う合理的なモデルで、マスメディアによる広告が独占されていた閉塞を打ち破った「革命」(特権階級を打ち倒したという意味では「民主革命」だな)である。
しかしながら、(まだ誰も指摘していないが)グーグルの広告モデルは、ビジネスの技法で言うと「カイゼン」」である。
広告という巨大な市場が、ずぶずぶのムダなしくみであったから、カイゼンは稼働したし、まだしばらく続くだろう。
しかし、グーグルのしていることは、既にある価値創造のしくみを無駄なく運ぶことであって、(少なくとも)広告ビジネスとしては何ら新しい付加価値を生み出していない。

カイゼンのご本家が「自動車絶望工場」であるように、カイゼンは無駄を省くけれど、それは会社や社員の「遊び」(どんな機会やシステムにも「遊び」は必要で、それが全くないと帰って操作しにくい)を削っていく。

グーグルはまだしばらくは、ムダの上にあぐらをかいたマス広告や大ざっぱで経験主義的なSPを取り込んで成長するだろうが、改善の対象を失った段階で行き詰まるのではなかろうか。
それはもしかしたら始まっているのかも知れない。
町並みを全部デジタル化したり、DNAをデータベース化したりしているが、広告モデルとして採算性のある事業ではないとグーグルのトップも言っている。

もしかしたら、カイゼンする広告分野が無くなって、新たな収益源を見つけられず、袋小路にはまりつつあるのかも知れない。

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