行動ターゲッティングを社会問題の解決に使う
ネットでの検索履歴とかメールのやり取りはもちろん、ケータイとかICカードの利用履歴から、プライバシーに踏み込むと精度の高い広告ができるだろうと一年くらい前から想像していて、二作目の本には「プライバシーを売る」って章を立てて書いたりしたわけですが、今年の夏(日本だと7月になってから位だと思う)にこうした行為に「行動ターゲッティング」という名前が付きました。
この名称で定着するかどうか分かりませんが、メモとしてここに書いておきます。
「行動ターゲッティング」という言葉の後には、ほぼ自動的に「マーケティング」という言葉が連なることが多いのですが、用途としてはそれに限るものではなく、現在の日本社会の問題を考えると、「自殺」を考えるのに有効な分析手法であり、対策を講じる手段になるのではないでしょうか。
『平成1 9 年中における自殺の概要資料』によると、自殺者の性別や年代と居住地は出ていて、大ざっぱに言うと「貧困県の60代以上の男性」の自殺率が高いことは読み取れる。あれだけ中央線が止まっているのに、意外なことに、東京の自殺率はそれほど高くない。
もっとも、東京に「出稼ぎ」に出て、心身ともに疲弊して、死ぬときは故郷でと思うような人もいる(実際にそう言う例を見ています)ので、この集計値を単純に読んではいけないのだろうな。
自殺の理由にしても、だらだらと列記されているだけで、要因が特定できていない。まあ、理由は複合的であることの方が多いだろうけど、それにしてもお役所統計。こういう調査を組んだら、マーケティング・リサーチャーとしては、失笑されてもしかたないです。
こういう受動的な調査も必要だし、定点観測的な意義はあるでしょうが、今時ですから、行動ターゲッティング・自殺分析をしてみるべきだと思うんですよ。
年間3万人が、どういう行動の果てに自死に至っているかが、ITの進歩によりかなりの精度でトレースできるわけです。デモグラフィック特性だけでなく、サイコグラフィックな条件も重ねてクロス集計すると、リアルな自殺者像が浮かび上がるわけで、それが分かればこそ、本当に有意義な自殺予防策が組めると思うのです。
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