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2008年8月

トヨタがマスメディア広告費3割カットする理由

8月30日3時1分配信 時事通信


 トヨタ自動車が原材料価格高騰や北米市場低迷で収益が圧迫されていることを受け、2009年3月期(今期)に新聞やテレビなどのマスメディア向け広告・宣伝費を、前期比3割弱削減することが29日、明らかになった。同社は今期の連結営業利益を29.5%の大幅減益と予想しており、経費削減を一層推し進める。
 広告・宣伝費については最大手のトヨタのほか、日産自動車など大手各社も絞り込みを始めている。マスメディア業界の収益にも影響しそうだ。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000227-jij-bus_all


新聞とテレビの広告売上が今年度に入ってから猛烈に落ちていて、その下落額は3割くらいと噂に聞いていたので、このニュースで得心。
最終的な決算に向けて、今まで認めてこなかったようなアングラな(暴力団のフロント企業とか宗教)の組織の広告も取り入れる事などで数字は作ってくると思うが、従来、マスメディアを支えてきた常連の企業はかようにマスメディアの広告予算を削っている。

マスメディアにとってつらいのは、代わりとなる良質のクライアントを開拓できず、逃げた常連の鼻をあかすことができないことであり、CM放送枠を埋めなければならないから、予算を3割削られても、その企業のスポットの本数はたぶん大して減らせないことだろう。
予算が3割減っても、広告の掲出量は3割まで減らないし(メディア「シャッター商店街化」を避けるために、本数はある程度、融通を利かす)、で、もちろん車の売り上げは3割も落ちないだろう(不景気で減少することは間違いないが)。

クライアントもバカじゃない。
広告の影響力を定量的に把握していて、単なる不景気が理由ではなく、販促における費用対効果から「3割カット」という予算配分が決定されたのだろう。
つまり、広告の消費に対する影響力が、3割低下したから、相場として値段が3割下がったということなのだ。
これは広告を実施してみるとてきめんに分かる。広告の掲載料や放送料は下がっているが、動員などの成果単価で見ると、以前と変化がない。
広告の値段の相場取引としてみると、ようやくまっとうな値段がつき始めたということなのだ。
以前と同じ広告本数を買うのに、3割引で事足りるのである。
今まで高すぎたマスメディア広告の値段が、広告商品の売上に対する影響力相応になってきたことが、ついに明らかになった言うのが、このニュースの意味するところだろう。


【以下、広告】
この浮いた広告予算がどこに使われるか。
また、テレビや新聞に変わる有効な販促手段とは何か(単純にネットのはなしではない)については、拙著『マーケティング・リテラシー』をご覧ください。

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行動ターゲッティングを社会問題の解決に使う

ネットでの検索履歴とかメールのやり取りはもちろん、ケータイとかICカードの利用履歴から、プライバシーに踏み込むと精度の高い広告ができるだろうと一年くらい前から想像していて、二作目の本には「プライバシーを売る」って章を立てて書いたりしたわけですが、今年の夏(日本だと7月になってから位だと思う)にこうした行為に「行動ターゲッティング」という名前が付きました。
この名称で定着するかどうか分かりませんが、メモとしてここに書いておきます。

「行動ターゲッティング」という言葉の後には、ほぼ自動的に「マーケティング」という言葉が連なることが多いのですが、用途としてはそれに限るものではなく、現在の日本社会の問題を考えると、「自殺」を考えるのに有効な分析手法であり、対策を講じる手段になるのではないでしょうか。


平成1 9 年中における自殺の概要資料』によると、自殺者の性別や年代と居住地は出ていて、大ざっぱに言うと「貧困県の60代以上の男性」の自殺率が高いことは読み取れる。あれだけ中央線が止まっているのに、意外なことに、東京の自殺率はそれほど高くない。

もっとも、東京に「出稼ぎ」に出て、心身ともに疲弊して、死ぬときは故郷でと思うような人もいる(実際にそう言う例を見ています)ので、この集計値を単純に読んではいけないのだろうな。
自殺の理由にしても、だらだらと列記されているだけで、要因が特定できていない。まあ、理由は複合的であることの方が多いだろうけど、それにしてもお役所統計。こういう調査を組んだら、マーケティング・リサーチャーとしては、失笑されてもしかたないです。

こういう受動的な調査も必要だし、定点観測的な意義はあるでしょうが、今時ですから、行動ターゲッティング・自殺分析をしてみるべきだと思うんですよ。
年間3万人が、どういう行動の果てに自死に至っているかが、ITの進歩によりかなりの精度でトレースできるわけです。デモグラフィック特性だけでなく、サイコグラフィックな条件も重ねてクロス集計すると、リアルな自殺者像が浮かび上がるわけで、それが分かればこそ、本当に有意義な自殺予防策が組めると思うのです。

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【メモ】グーグルの新ツール“Insights for Search”

マーケティングプランを作成するツールとしても有用だが、本質は、広告効果を実証する装置(もっと突き詰めて言うと、消費を納品する状況を可視化する装置)としてにあると思うが。


グーグルの新ツール“Insights for Search”,マーケッターが活用しそう


  Google Insights for Searchは,広告関係者や市場関係者にとって便利なツールになりそうだ。

  Google Trendsの拡張版である。特定のキーワードについて,地域別や期間別の検索件数の変化を見ることができる。地域別では国の指定や,さらに日本の場合は都道府県を選ぶことができる。期間別では,最近の30日間,90日間あるいは1年間とか,また2004年以降の年も指定できる。

  試しに,「ビール」,「焼酎」,「ワイン」,「カクテル」のキーワードで,検索問い合わせ件数を比較してみた。2004年から現在までの期間指定で,地域は東京,大阪,鹿児島,北海道の4地域を選んで上の4つのキーワードの検索件数を比べた。最初は日本全体を対象にした結果である。

 以下は,4地域別に調べた各キーワードの検索件数比を示している。なるほどと思える結果である。

 商品とかタレントなどのような人気変動が激しいキーワードについて,地域別や時間別に検索件数どう変わっていくかを手軽に調べることができるのだ。それも無料である。

http://zen.seesaa.net/article/104308288.html

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【メモ】レフレックスの終わり

一眼レフという構造は、感光面であるフィルムと、ファインダの視覚差(パララックス)をなくすための方法であって、感光面が電子素子で、シャッター時の映像をそのまま視認できるデジタルカメラなら、反射板を入れる必要なんてない。
ただ、「ちゃんとしたカメラは、ああいう形をしているもの」と言う先入観が、一眼レフ式デジタルカメラという、よく考えるとへんてこな製品を生み出していたわけだ。

いままでもデジタルカメラ特有のデザインの模索がなかったわけではないが(サンヨーのザクティとか)、ようやく、デジタルであるが故のカメラデザインが本格化するようだ。

デジカメ:新規格を発表 オリンパスと松下


新たに発表されたマイクロフォーサーズ規格のレンズの試作品とマウント(左)と従来のフォーサーズ規格のレンズとマウント。手前右はフォーサーズ規格レンズをマイクロフォーサーズ規格のボディに装着するためのアダプター=東京・経団連会館で2008年8月5日、米田堅持撮影
 デジタルカメラなどの製造販売を行っているオリンパスイメージングと総合家電メーカーの松下電器産業は5日、都内でデジタルカメラの新規格を発表した。 

 ◇背広の内ポケットに入るレンズ交換式カメラを目指したい
 新規格の名称は「マイクロフォーサーズ」で、両社がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラに採用しているフォーサーズ規格をベースに小型化。レンズを装着するマウントと撮像素子の距離を半分にするとともに、マウントの口径を約6ミリ縮小して小型化を可能にした。その一方で、マウントの電気接点を2点増やして11点とし、将来の動画対応などに備えている。また、マイクロフォーサーズ規格のカメラでもアダプターを使用することで従来のフォーサーズ規格のレンズも使用可能となっている。

 新規格のカメラの発売時期や価格など商品化については未定。オリンパスイメージングでは「新規格のカメラでは一眼レフにあったミラーをなくして、背広の内ポケットに入るような超小型のレンズ交換式カメラや、今までにないような超広角レンズを作るなど、コンパクトカメラや一眼レフという概念にとらわれずに、この規格を大きく育てていきたい」と話している。

http://mainichi.jp/life/electronics/news/20080805mog00m300017000c.html


カメラの反射板のような時代錯誤(あのシャッター感の喜びは認めますが)のような、社会のしくみは淘汰されて行かなくてはなりませんね。
今までがそうであったからと言う理由だけで、これからも残していく意味などないのですから。

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【メモ】グーグルストリートという機能

本日から、グーグルストリートという機能が、日本語版でも始まった。
住所を打ち込むと、その地点の写真が出る。
商業地なら分からなくもないが、住宅地でもバッチリ(死語)でる。

やり過ぎではないだろうか!?
宅配の人とかにとっては、目的地を確実に探せる意味があるのだろうが、それ以上の価値はあるのか?
犯罪者にこそ利用されそうだよ。
(深読みすると、事件が起こった後に、そのマップとかストリートを見ていた人を容疑者として特定できるのか?)

プライバシーの定義とか線引きは難しいのだが、抵抗を感じる。


しかし、これでどういうビジネスを始めるつもりなのだろうか?
グーグルアースは、観光地ビデオと連動してプロモーションに使ったりしているけど、住宅地の写真がなんかのビジネスに役に立つのだろうか?

少なくとも、広告収入型ビジネスモデルとしては、想像しがたいのだが…
良く分からないので、しばらく注目していよう。

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消費者庁は地デジを止められるか?

肝いりで消費者庁が立ち上がった。
具体的には、何をする省庁なのだろうか?
「消費者行政」という単語を何度かニュースで見たが、「消費者主導のマーケティング」と同様に、倒錯した概念であるなあと言うのが、まず第一感。


よく考えてみれば、あたりまえの概念である。
現在の日本社会は、民主主義を制度としているわけで、有権者≒消費者なので、民主主義を日常生活においても体現すると考えれば、概念としての矛盾はないし、もちろん悪いことでもない。


問題は、本当に役に立つのかというところだろう。
「消費」として何をイメージし、何を求めるのかは、人によってさまざまである。
安全を求める人もいるだろうし、安価を優先する人もいるし、安定供給こそを欲する人もいるだろう。
こうした消費者の多様化が、「とりまとめ役」にとって大事で難しいというのは、生協(COOP)の混乱ぶりを見れば分かる。
安売りで一時は市場を制覇したダイエーが没落し、現代日本の消費の象徴でもあったコンビニもパッとしない。

さて、役所に「消費」と言う難題に対処ができるものだろうか
消費のあらゆることに合意を作り上げることは不可能なので、さしあたって、役所の得意な分野でその期待に応えて欲しい。

具体的には地デジを止めて欲しい。
テレビのデジタルハイビジョン化は世界的な傾向だし、電波の有効利用のためにも良いだろう。
しかし、地上デジタル放送でやるのは、中継局の問題などから考えて、コストはかかりすぎるし、放送対象外の人と地域が発生してしまう。
あと、BーCASカードという、意味不明の管理規格は止めて欲しい。
用途がなく(郵便番号単位で小分けした広告配信でもするのだろうか?)、それでいて消費者にコストであり、また、消費者にとって何の利便性もないわけで、「地デジ+B-CAS」のどう考えても失敗しそうな規格は、消費者のためにならないので、廃止あるいは改廃してほしいものである。

将来的には、NGNに統合されていくのだろうが、当面は放送という情報配信のしくみはいるので、BSまたはCSでハイビジョン放送を行うのが宜しい。
3年前から言っているけど、CSのチャンネル数なら、地方局全部をまかなうことが可能で、しかもそのコストは地デジよりはるかに安いのだから。

産地偽装とかの消費者から見ての常識が通らないから、消費者庁ができたわけで、「地デジ+B-CAS」というへんてこでかつ日本ローカルでしか通用しない規格は止めさせて欲しいものだ。
せめて、B-CASがなぜ組み込まれたのかと言う謎くらいは、明確にして欲しい。

このくらいのことをしてくれるのなら、消費者庁を作った意味があると思います。

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【メモ】 ジャーナリズムを飼っておくコスト

もう、先進国の消費者には、マスメディア広告は利用されていない。
広告はもう終わっちゃったスキームなのだ。
だから、メディアの広告売上は落ちる一方だ。
しかし、広告売上の低下を持って、メディアの組織の値段を決めてしまうのは間違いだろう。


NYタイムズの市場価値、驚きの低評価
広告収入の激減がきっかけとなり、株価は1年前の半分に下落

NYタイムズが保有する米ボストン・グローブ紙と14の地方紙を売却した場合の税引き後の価値は5億7500万ドルになると試算

と言う記事(http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080731/166787/)は、これまた勘違いではなかろうか?

と言う記事を、大胆に要約すると、広告売上が落ちている新聞の経済的価値はこんなものだ。と言うことである。
もちろん、反論も載っていて、

実際、誰もが信頼する新聞であり、ウェブサイトへのアクセス数も非常に多いNYタイムズ紙だけでも、7億5000万ドル以上の価値があるのではないか。(中略) 「NYタイムズは、これから先もずっと消え去ることはないだろう。(評価額は)あまりにも悲観的すぎる。必要なのは、広告収入の回復だけだ」。

とあるが、こちらにも賛同できない。
新聞広告の売上がかつてにような水準に回復することは、もうないからだ。
そういうあり得ない希望値を持って、新聞の価値の復権を主張するのは、本質的ではないだろう。

メディアにおける広告の売上比率は大きい。
新聞の面積あたりの制作費を調べたら、記事と広告では桁違いに広告の方がでかい。
たぶん、二桁違うのではなかろうか?
「読ませる記事」「買うに値する記事」とはいうものの、定期購読に支えられているだけで、実際に金を払ってまで手に入れたい記事は少なく、払って良い代価は少なく(業界では、一記事100円相当なら上出来と言われる)、また、実際に金を払ってくれる人は少ない。
と言うような、売上の事情から、NYタイムスの価値は安く見積もられちゃうんだろうけど、記事の経済効果を軽く見過ぎじゃないのかな?


NHKスペシャルで、ユニリーバ・インドが子供を使ったプロモーションをしていたと言う報道はPR担当にとって悪夢(http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080726/166354/)と言うような話もあり、番組・記事の影響力はでかく、それは広告では(直接は)買えないし、その事実を広告で打ち消すことは難しい。


だから、テレビにしろ新聞にしろ、影響力があるのは、番組や記事である。
そこに読者は金を払うし、そこに自社の情報の載せてもらうために、各企業は大枚と人手をかけるのである。

約20%の米広告主がニュース記事を書いてもらうために広告を出稿(http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2008/07/20.html)なんて記事があるように、広告は記事を書いてもらうためのあいさつ料(ここでは書いてないけど、悪い記事を書かれないためのみかじめ料でもあったりする)なのである。
まあ、「20%」だから、8割はそんなことしてないよと言う風に読むべきなのかな?
でも、こうした質問に素直に答えるウブな広報も少ないと思うが?
「当社は、記事や番組に取り上げてもらうため、広告を出しているのです」と素直に答えた企業が20%もいたと言うことがむしろ驚きだ。


有り余る広告費で、記事や番組の内容を買いに来るご時世に、売上を落としている新聞社やテレビ局は、どうやってその誘惑に打ち勝つか?
「報道の中立」というきれい事はさておき、アイフォーン報道のようなプロモーション記事を扱ってしまう「無作為の作為」のような行為は減らないどころか増える一方だろうな。だって、こういう「記事」を載せれば、広告営業になるし、載せないと広告掲載を撤回されたりするわけで、広告売上のためには載せざるを得ない。

こういう時代において、批判報道は本当に難しい。
取材が困難で、時間と金がかかり、結実するとは限らず、仮にスクープまで持って行けたとして、それでいて売れるとは限らないから。
(スクープを合法的に埋没させるPR技術はすでにあるし)

今は、ネットなどですさまじく非難されているが、曲がりなりにもジャーナリズムはある。
その実態はとても手放しで礼賛できる者ではないが、それでも事実を発掘し、不正を告発するプロは必要だ。
ブロガーが代替する部分もあり、かつてのような記者クラブに座らせておいて、リリースを転載するような記者はもういらないけど、「本当のこと」を調べて報じるシステムは要るよね。

NOVAとかグッドウィルの実態は、ちょっと調べれば分かっていた訳なのだが、結局、膨大な広告費の前に、記事となることはほとんどなかった。
でも、これだと消費者は困るんだよね。
「本当のこと」を調べて報じるプロ、すなわちジャーナリズムを飼っておくことは必要で、そのコストをどうやって負担するかが、これからのメディア再編において重要ではなかろうか。


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